結論から申し上げますと、私としては「あり」です。
よくある話ですが、
「ヒーローは憎しみで戦ってはいけません! 愛をもって戦わねば!」
という決まり文句があります。ハトプリでキュアブロッサムがそのようなことを言ってたらしいですね。
今回のハピネスチャージプリキュアでも、いおな=キュアフォーチュンが復讐のため戦うプリキュアであることから、彼女に対してもそのようなコメントをするファンも多く見られます。中にはプリキュア失格だとか言う声もチラホラと・・・。
「・・・そりゃないんじゃねーの?」と、私は言いたいところです。
理由は次の6つです。
①何をもって戦うにせよ、暴力で相手を屈服させることに変わりはない
どっちにしろやることは同じ。相手を力で倒すだけです。
要は奇麗事で暴力を正当化してるだけに過ぎないわけですよ。
死なない程度にフルボッコにして反省させ、被害者に謝罪廻りに行かせるならば話は別ですが。
もっとも、そんなことが上手くいけば最初から戦いなどいらないでしょうね。
②理不尽に大切な人を奪われれば、相手に憎しみを持つのが当然
たとえば貴方は、誰かから財布を盗まれたらどう思うでしょう? 相手が飢えて死にそうだったわけでもない限り、腹が立つでしょう。
ましてや、家族を殺されたらいかがでしょうか? 相手を憎むのは当然の理です。
簡単に復讐キャラに「愛をもって戦え」と言わせるのは、ハピプリの誠司の言うところの「相手の立場になって考えてみる」ことができないと言えるでしょう。
③基本的に、復讐の相手が法で裁けない極悪な存在である
ヒーロー物で、ヒーローが復讐したいと思う相手は、大体が法によって裁けない存在ばかりです。
例外は井阪先生くらいのものでしょう。アレは一応照井は逮捕するつもりでしたけど、先生が勝手にクタバッただけですからね。
ドーパントのように、確かに法で裁ける存在、人間ならば警察に任せる手もあるでしょう。実際照井はそうしてました。
しかし、基本的にこういうキャラの場合は、法によって裁けない存在が大半です。
ならば法に任せることはできません。
④『憎しみは新たな憎しみを生む』への懐疑
これがいちばん不可解やもしれません。
むしろ憎しみを生み出すような相手を放っておくことの方が、新たな犠牲者を生み、その結果新たな憎しみを生む結果を呼び起こすに過ぎないかと思われます。
そうなる前に、予防策として復讐を果たすことの何が問題なのでしょうか?
⑤ヒーローへの押し付けがましさが鬱陶しい
やめて! 映司くんは都合のいい神様じゃないのよー!
と申し上げるわけではありませんが(笑)
そもそもプリキュアが「愛と正義の戦士」という見方自体が大きな誤りだと考えられます。
基本的に殆どのプリキュアは、「自分達の日常や友達や家族を守るため」に戦っています。
私の知る限り、個人的に「愛」や「正義」を名乗るプリキュアはいます(ピーチ、ハート、エース)が、「愛」をチームの二つ名に使ったのはドキしかいないはずです。
ましてや、自身を「正義」と称したプリキュアはエースのみです。
ならばその日常や家族を奪った相手からそれを奪い返そうとして何が悪いのか?
⑥大事なのは『復讐で関係ない人に迷惑をかけないこと』であって『復讐』そのものではない
以上の件から、「愛をもって戦う」というヒーローの条件に対しては、私は疑問を持たざるを得ないのです。
なお、復讐で戦うヒーローが嫌だと仰る方は、復讐で戦い勝利した、橘さんもヒーロー失格と仰りたいのでしょうか?
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復讐のヒーローと言えば快傑ズバットです
徹頭徹尾「復讐」を掲げたズバットですが、行く先々で悪党共を倒す姿は間違いなくヒーローでした
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復讐が目的と言うと最近だとキョウリュウブラックのイアンが思い浮かびますね。(別にそれだけが目的ではありませんでしたが)
エンドルフと戦う中で彼は憎しみだけで戦うのは駄目だと悟りました。
アクセルもウェザーを倒し復讐を果たしましたが復讐よりも鳥類園のお姉さんや街を守りたいという気持ちの方が強まってた感じでしたね。(彼の場合その後井坂先生にメモリを渡したシュラウドを許すまでの流れがワンセットですが)
復讐という行為は否定しないけどそれに囚われて今大事なモノを見失うのは良くないと言うのが三条さんの持論なのかもしれませんね。
冷静に考えると仇討が目的のヒーローって多いですよね。時代劇でも主人公の目的が仇討というのが多い気がします。
別に私怨が入っていようが関係ない人間に害をなす存在を倒す行為は間違ってませんし、誰かの為に戦うという行為に貴賤はありません。
その事に対して文句を言うのは確かに良くありませんね。
まあ八つ当たりのようなものは少し文句も言いたくなりますけど、そういう意味では逆に敵側の目的が復讐ってのもありますよね。(この場合人類という大きな括りですが)
私的に重要なのはやはり復讐というテーマをどう料理するかですね。
復讐に限った話でもないですがまともに扱うつもりもないのに無駄に重いテーマをぶち込むのが一番いけません。
例に挙げた照井やイアンも作り手なりの哲学やこだわりが感じられますし、最終的にシュラウドを許した照井の心情も理解出来ます。
逆にそういう拘りの無い復讐物はあまり好きではないですね。
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個人的には
心に根差すものが愛であれ憎悪であれ、
それでも他者の異なる考えに思いをはせ、
できる限りのラインまで互いに譲り合って摺合せしようと努力する姿こそが『正義』、
逆にこうしてはいけない、こうでなくてはダメだと多様性を否定して自分の理想を無理強いする独善が『悪』だと考えているので、
復讐を動機として戦うヒーローがいても
それなりに『節度を守って行動する』なら
構わないとは思ってます。
逆に自分とは考えの違う相手を
甘ちゃん呼ばわりしてドヤ顔したり
はたまたキレてクソミソに罵倒したり、
自分の戦いに無関係の他人を巻き込んで
知ったことかって態度を取ったりする奴はNG。
復讐するならするで、その憎悪は仇に集中していただきたい。
仇討はいいが八つ当たりは止せ
捨て鉢になって雑な真似をするな
ってとこでしょうか。
ただ、上にあげられた6つの論理を
作中で見る人にしっかり理解できるよう
描写するには高い技量が要求されるし、
同時に観る人すべてがそこまで細密な論理を展開するのかどうかということも考慮はするべきですね。
青年誌の漫画とかならともかく、
プリキュアとかニチアサヒーローは
基本5歳前後の子供をターゲットに制作されている番組ですから、
大人も楽しめるクオリティと言っても、
やはり基本は子供を基準とするべきです。
幼い子供は論理よりも直感で番組を観るものですから、
ヒーローが『俺は愛や正義のためには戦わない!絶対に怨みを晴らす!』みたいなインパクトある啖呵を切ったら、下手すればもうそこで思考停止して、『憎しみに従っちゃっていいんだ、それがカッコイイんだ』と作り手の意図なんかお構いなしにおかしな影響『に』受け取っちゃう可能性だってありますからね。
そんな事態を避けるため、
何らかの形でリミッターを設けることは
必要だと思います。
復讐を成し遂げるけど
因果応報で自分も死ぬとか、
復讐の無意味さを悟って
新しい使命に生きるとか。
特にプリキュアの場合、
見ている女の子が乱暴で過激な影響を受けないよう、男児向けのヒーロー番組とは比べ物にならないくらい厳しいタブーが多数設けられているそうで…
そうした背景があるなら多少押しつけがましく『愛こそすべて』みたいな内容になってしまうのも仕方ないのかもしれませんね。
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思えば橘$さんは井坂を倒した後小夜子を失った責任もあってかしばらくはライダーをやめてしまいました。
その後桐生さんの暴走もあってかライダーに復帰しましたが(この辺の流れはかなり気に入ってます)
敵側の復讐というと私はテイルズ オブ ジ アビスというゲームのヴァン(本作のラスボス)が該当するかと思います
彼は故郷を見殺しにされたことで世界を憎み復讐心も含んだ歪んだ理想に走ります。一応同情の余地はあるのですがそれでも関係ない人を平気で巻き込んでしまう行動は確実に間違っていました
これ以外にも復讐という名の身勝手な逆恨みで行動するキャラもいますが、やはり主人公がこのような行動をしないことが大事かと思います
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>復讐のヒーローと言えば快傑ズバットです
>徹頭徹尾「復讐」を掲げたズバットですが
>行く先々で悪党共を倒す姿は間違いなくヒーローでした
さすがにズバットまでは私も閲覧しておりません・・・(汗)
確かに描き方次第で、復讐者もヒーローになれるんですよね。
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>復讐が目的と言うと最近だとキョウリュウブラックのイアンが思い浮かびますね。(別にそれだけが目的ではありませんでしたが)
>エンドルフと戦う中で彼は憎しみだけで戦うのは駄目だと悟りました。
>アクセルもウェザーを倒し復讐を果たしましたが復讐よりも鳥類園のお姉さんや街を守りたいという気持ちの方が強まってた感じでしたね。
照井の偉い所は、あくまで「法による逮捕」を実践しようとしたところですね。残念ながら井阪先生は自爆しましたが。
>メモリを渡したシュラウドを許すまでの流れがワンセットですが)
シュラウドは巻き込んだことに本人なりに罪悪感を持っていたので、許す流れに違和感はありませんでしたね。あれで無反省でしたら、話は別でしたけど。
>「復讐という行為は否定しないけどそれに囚われて今大事なモノを見失うのは良くない」と言うのが
>三条さんの持論なのかもしれませんね。
ダイでも似たような話があるそうなので、恐らくそれが先生の持論でしょうね。
>冷静に考えると仇討が目的のヒーローって多いですよね
時代劇でも主人公の目的が仇討というのが多い気がします。
むしろ時代劇というか、昔の方が仇討を正当化してるんですよね。そういう意味では、昔の法は人情的とも言えます。
>別に私怨が入っていようが関係ない人間に害をなす存在を倒す行為は間違ってませんし、誰かの為に戦うという行為に貴賤はありません。
>その事に対して文句を言うのは確かに良くありませんね。
そのためか、フォーチュンに対し「憎しみで戦っちゃダメ―!」と言った物言いは、個人的に何処か受け入れづらいのです。
>私的に重要なのはやはり復讐というテーマをどう料理するかですね。
>復讐に限った話でもないですが
>まともに扱うつもりもないのに無駄に重いテーマをぶち込むのが一番いけません。
仰る通りです。この辺はどんな作品でも大事にしていただきたいものです。
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>心に根差すものが愛であれ憎悪であれ、それでも他者の異なる考えに思いをはせ、
>できる限りのラインまで互いに譲り合って摺合せしようと努力する姿こそが『正義』、
>逆にこうしてはいけない、こうでなくてはダメだと
>多様性を否定して自分の理想を無理強いする独善が『悪』だと考えているので、
なるほど。興味深いご意見をありがとうございます。
>ただ、上にあげられた6つの論理を
>作中で見る人にしっかり理解できるよう描写するには高い技量が要求される
コレはそうですね。確かに技量が必要な描写ではあります。
>同時に観る人すべてがそこまで細密な論理を展開するのかどうか
>プリキュアとかニチアサヒーローは基本5歳前後の子供をターゲットに制作されている番組ですから
>大人も楽しめるクオリティと言ってもやはり基本は子供を基準とするべきです。
これは失念しておりました。
貴重なご意見をありがとうございます。
>幼い子供は論理よりも直感で番組を観るものですから、
>そんな事態を避けるため、何らかの形でリミッターを設けることは必要だと思います。
個人的には、そこまで子供は影響されるようでされないとは考えています。
その辺りは親や周りの人が注意すれば良いとも考えてます。とは言え、やりすぎは確かに良くないですよね。
>特にプリキュアの場合、見ている女の子が乱暴で過激な影響を受けないよう
>男児向けのヒーロー番組とは比べ物にならないくらい厳しいタブーが多数設けられているそうで…
その点は存じております。プリキュア同士の戦いは原則禁止、流血描写禁止‥‥
>多少押しつけがましく『愛こそすべて』みたいな内容になってしまうのも仕方ないのかも
個人的には、近年の傾向には、やや辟易しております。押し付けがましい『愛』も考え物かと。
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>思えば橘さんは井坂を倒した後小夜子を失った責任もあってか
>しばらくはライダーをやめてしまいました。
>その後桐生さんの暴走もあってかライダーに復帰しましたが
この話が、橘さんのカッコよさを決定づけてくれましたからね。
>(この辺の流れはかなり気に入ってます)
「なりたかったよ・・・、俺も仮面ライダーに」などの名言も残してくれましたからね。
宜しければ下記記事もご覧ください。
http://handlessdiary.blog.fc2.com/blog-entry-135.html
>敵側の復讐というと
>テイルズ オブ ジ アビスというゲームのヴァン(本作のラスボス)
>彼は故郷を見殺しにされたことで世界を憎み復讐心も含んだ歪んだ理想に走ります
>一応同情の余地はあるのですが
>それでも関係ない人を平気で巻き込んでしまう行動
なるほど。貴重な情報をありがとうございます。
調べてみますと、ダンディな御髭のおじさまですねぇ・・・。
>これ以外にも復讐という名の身勝手な逆恨みで行動するキャラもいますが
>やはり主人公がこのような行動をしないことが大事かと思います
あんまり話題になりませんが、仮面ライダーも根本の動機は、「ショッカーへの復讐」です。
事実、本郷は何度も怪人の身体であることを嘆き、普通の人間に戻りたいという望みを、序盤で口にしています。
結局最期にはそれを諦め、人類の自由のため戦うことへと昇華させました。故に、彼は永遠のヒーローとして深く愛されたのでしょう。
ちなみに城茂は、自ら改造人間にされてまで復讐をする人でした。
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私は「自分と同じような境遇の人を出さないようにする」というヒーローもこれに近いと思っていますね。
後、「憎しみで戦うのは生々しすぎる」という意見もあるのかもしれません。
アメコミにもパニッシャーという憎しみのみでしか闘わないヒーローがいます(おそらく、ディスクウォーズには絶対に出れないでしょうけど。後、名前と大まかな内容しか知りません)。
スパイダーマン(パニッシヤー以上の不幸に見舞われいている)と比べてしまうとどうしても精神的に劣っているように見えるんですよ。
「せめて、漫画の中ぐらいは夢を見たい」そう考える人がいるのもまた事実です。
ちなみに私は「ズバット」に関してはクロスオーバー系作品での異様な持ち上げっぷりからあまり好きでありません。
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なるほど。興味深いご意見ありがとうございます。
>「せめて、漫画の中ぐらいは夢を見たい」
これは大変参考になりました。
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