小説版仮面ライダークウガ 感想


※本記事はネタバレを含んであります。
未見の方はご注意ください!!


あらすじ


ダグバとの戦いから13年後。五代雄介は未だ行方知れずだった。彼を知る人々は皆、ずっと彼を案じ続けていた。
そんな時、再び不可解な連続殺人事件が発生する。どうやら伽部凛なる美少女アイドルが深く関係しているらしい。
一条刑事はグロンギが影に潜むと考え、新たに夏目実加(27歳)を相棒に迎え、捜査を開始する。
同時に、白い未確認生命体2号がネット上で目撃される。一条はまた五代に辛い戦いを背負わせるのか・・・、と苦悩する。
一方で実加は、どこか一条に想いを寄せる素振りをしていた。そんな彼女に、一条は戸惑いを見せていた。
その後、凛の正体はグロンギと判明。白いクウガが現れてグロンギと戦いとなり、凛を倒す。その凄まじい戦いに、実加は改めて五代が背負ってきたものを実感し、苦悩する。
だが事件はこれで終わりではなかった。リオネルなる「飲むと笑顔になれる」健康ドリンクを販売していた有力者・郷原の正体が、大量殺人計画を目論むグロンギだと判明。彼を止めるべく、一条達は内閣の妨害などに遭いながらも準備を進める。
決行の日、雨の中実加は一条に抱いてくれと頼む。一条は戸惑いつつも、それを拒んでしまい、実加は駆け出してしまう。同時に、一条は桜子からの連絡で実加がネット上で目撃され、凛を倒したもうひとりのクウガだったことを知り、なぜ彼女を受け止めてやれなかったと悔やむ。
実加はひとり、郷原と対峙する。郷原は自らがライオなるグロンギだと明かし、実加を「父親は愚かな人間を見ずに死ねてよかった」と挑発。
実加は憎しみと怒りのままにクウガに変身。黒いクウガとなって東京タワーを兵器に変え、郷原(ライオ)を倒そうとする。だが、そんな彼女を止めるものがいた。ゴウラムと一緒に駆けつけた、赤いクウガだ。彼は黒いクウガを抱きしめてその怒りを鎮め、赤青緑紫と、様々な色に変わってライオと戦う。その後、一条はライオに特殊な銃弾を撃ち込み、彼を倒すのだった・・・。
戦いが終わり、何時かのごとく一条は五代に背中合わせで支えられていた。その後、お互いに一瞬だけ顔を見せ合い、去ろうとする。だが一条は堪えきれずに後ろを向き、五代に泣き叫ぶかのように呼びかける。
その時、彼は見た。
あの時と変わらない、朝焼けに照らされたサムズアップを・・・


感想


最初に言っておく!
一条さんごめんなさいm( _ _ )m
正直、一条さんがそっち系の人にしか見えませんでした。
というか本編は、(実加⇒一条⇒五代)の三角関係 にしか見えませんでしたw
と、冗談はさておきまして・・・
この小説がファンの間でも賛否両論となったのは非常に理解できることだと思います。
確かに、クウガファンの皆様が「暴力を嫌う五代に二度と戦って欲しくない」と考え、この小説を受け入れづらいという心境も理解できます。
個人的には、結論を申し上げると、クウガの続編としてはアリだと考えています。
この小説の構造は、テレビ版クウガへのアンチテーゼ的な意味合いが大きいと考えています。
・よき理解者が多かったテレビ版⇔欲望に負けた愚かな大衆が多い小説版
・「みんなの笑顔」を守るために戦う五代⇔「みんなの笑顔」を盾にして人々を傷つける郷原
・警察組織が味方で有り続けたテレビ版⇔政府組織が敵になってしまった小説版

このように、テレビ版とは逆向きの展開やキャラクターが多いことが分かります。テレビ版クウガでは書けなかった、人の暗部について触れた点は、個人的に評価したいと思います。
また、何よりもテレビ版と異なるのが、夏目実加を主要人物として取り上げたことでしょう。この点も私は好感が持てました。
彼女と五代雄介の最大の違い、それは「グロンギに大事な人を奪われたか」。実は五代は、自身の笑顔を除けば何一つ身の回りの大切な誰かを失っていないわけです。
そこに、五代雄介を中心としたテレビ版クウガにおける問題点があります。
「大事な人を奪われても、クウガは憎しみで戦わずにいられるのか?」
おそらく、荒川さんはこの疑問を持ち続けられていたのでしょう。しかし、テレビ版では徹底した暴力否定のテーマ描写のために、意図的に実加の出番が調整されていたように見えます。
それがわかるのがダグバ戦前の挨拶回りです。戦う決意を固めたきっかけであり、更にその後もそれなりに関わりのあった実加に、なぜか五代が彼女に挨拶回りする場面は描かれませんでした。グロンギ最初にして最大の被害者である彼女に対して。
これは、視聴者にダグバへの怒りを思い出させ、「グロンギは倒されて当然」という考えを思い起こし、暴力否定のテーマをぶれさせないための意図的なものと考えられます。
この意図に対し、小説版で真っ向から挑むため、実加をクウガに変身させたのでしょう。事実、小説版の実加は五代とは正反対な面が多く見られます。
・すぐに感情的になり、戦いでは常に怒りに支配される
・グロンギへの怒りが強すぎて、彼らに利用された人々にまで「バカヤロー!」と叫ぶ
・五代を「正義の味方」と評する(その後一条さんに窘められましたが)
しかし、言い換えれば、これは人間として当然の感情とも言えます。寧ろ一般的なヒーローのキャラクターには、五代よりは彼女のほうが近いとも言えます。もちろん、そんな彼女が暴走したとき、しっかりと抱きしめて受け止めた五代もまた、あの時と変わらぬヒーロー性を発揮してくれました。
私がもう一つこの小説で評価したいのは、五代の笑顔を守る力を持つ人が増えたことですね。
確かに13年前と比べ、人々は愚かになったかもしれません。それでも、一条さんは五代だけに苦しみを背負わせはしないと、必死で戦い続けました。実際、ライオにトドメを刺し、五代に命を奪う行為を繰り返させないよう手を尽くしました。
そして、五代には「お前の笑顔を取り戻せるよう生きる!」と、涙ながらに語りかけています。
さらに、今度はもうひとりのクウガである実加ちゃんもいます。彼女もまた未熟ながらも、戦う力を持つことになりました。五代や一条さん達がいれば、もう二度と誤った道へ進むこともないでしょう。
今度は13年前と違い、本当の意味で戦いの苦しみや悲しみを共に背負ってくれる仲間がいる。これは、五代雄介にとっては、とてもありがたいのではないでしょうか。この点に関しては、高く評価したいです。
すなわち小説版クウガは、テレビ版のある種ユートピア的な世界(=登場人物が皆いい人ばかり)を否定する内容を織り交ぜながらも、その実五代雄介の笑顔を救う希望を振りまいたものでもあると思われます。そのため、私のこの小説への評価はかなり高いものとなっています。
戦闘面に関しては、ドラゴンタイタンペガサスマイティの4フォームが登場し、鮮やかなシーンを想起させてくれました。同時に、ダグバ戦に対する荒川さんの鬱憤晴しとも感じてしまいました
かなりキツイグロテスクな場面もあり、小説版ならではのブースターもかかっていましたね。
文章に関して言えば、やたらと「ぺガッ●星人かよ!?」とか、「キングコング対ゴジラの有賀一郎」など、読者が分かりづらいネタをもり混ぜるのがやや気にかかりました。とはいえ、それを除けば非常に読みやすかったです。加えて、テレビ版の回想シーンを織り交ぜているため、クウガ未見の人でも割と読みやすい構成になっていました。
以下、各サブキャラの顛末に対する余談。


みのり先生がマッチョマンの整体師(アバレの三条さんを意識したのかな?あるいはまさかのバッキー・バウンズさん?)と結婚したのが、なぜか寝取られ感みたいなものを感じ、ちょっとショックでした・・・w
榎田さんの息子・鉄オタでアニオタでミリヲタのサユルくんが見ていた深夜の特撮番組は、明らかにアキバレンジャーでしょうねwww
椿先生と一条さんの出会いが明らかになったのは嬉しいです。「100まんかいいきたねこ」を読んで泣いた椿さん萌えw
個人的には、蝶野やジャンのその後の顛末を知りたかったですね。特に蝶野は、五代にふれてどう変わっていったか、結末が気になりました。
杉田さんが禿げましたw
一条さんはホモ疑惑を同僚にかけられているらしいですw 
ぶっちゃけ、五代と実加に対する態度の温度差を見ると、一条さんは無自覚なホモという気がします

小説版仮面ライダークウガ 感想」への2件のフィードバック

  1. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    私の中でも評価が高かったのですが、この記事を見て成程と思い更に評価が高まりました
    >この小説の構造は、テレビ版クウガへのアンチテーゼ的な意味合いが大きいと考えています。
    テレビ版では描かれなかった面も結構ありましたね
    個人的にはグロンギも人々を利用し社会や政界進出していたのも印象的でした。TV版でも1年足らずで現代に馴染んだことを考えると納得がいくかと思います
    そして変わらぬ優しさと強さを見せてくれた五代さん
    クウガと荒川さんが好きな私としては非常に満足できる小説でした、素敵な感想文ありがとうございます

    いいね

  2. SECRET: 0
    PASS: 0f74ed4b8cbfafa64f5dcb69b16bcce5
    >私の中でも評価が高かったのですが
    >この記事を見て成程と思い更に評価が高まりました
    恐縮です。
    >テレビ版では描かれなかった面も結構ありましたね
    記事にも書きましたが、蝶野やジャンなどがどうなったかは気になりました。
    >TV版でも1年足らずで現代に馴染んだことを考えると
    >納得がいくかと思います
    そういえばそうでしたね!
    確かに奴等ならば13年もあれば、此処までできてもおかしくはないです。
    >そして変わらぬ優しさと強さを見せてくれた五代さん
    ページ数は少なくても、しっかりここだけは変わってませんでしたね。この不変な面は小説クウガの素晴らしい所だと思います。
    >素敵な感想文ありがとうございます
    お褒めいただき光栄です。
    寧ろクウガファンの方に怒られるのではないかと危惧しておりました。

    いいね

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